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Other Mole Music

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「「芸術とは抽象に至るプロセス」であり、抽象とは感覚によって得られた現象をいかに人が把握するかということ、主観的に感覚される現象から、より普遍的、総合的な秩序=形式を把握する能力、その活動に関わるということだ。この意味で、芸術は視覚(より広くいえば感覚)的な現象に還元され定着されるものではない。この抽象作用という認識プロセスそのものに関わり、それを作動させる動的な装置なのである。」(2018)(イノウエ)


1,200円(内税)
『ブルース・ピープル』の著者リロイ・ジョーンズによる1969年の小説。現代詩ともいえる寸断された言葉。そこにみえる振り切れた思考と感情はつねに性急でつよく痛かった。後世に読み継がれてほしいとイノウエは思いました。「この本は音とイメージ(観念連合の複合)から早口へと変化していっているが、この中での地獄とは、ぼくが一九六〇・六一年ごろに想像していた、そしてぼくの人生に固着した地獄像であり、また、ぼくのそれ以前の人生についての解釈なのだ....」(1969)(イノウエ)


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「いずれにせよ植物図鑑を通して、私は私の仕事を再び開始しようと思う。私は白日の下の事物をカラー写真によって捉え、植物図鑑に収めてゆこうとしているのだ。それはどうしてもカラー写真でなければならない。なぜなら、すでに書いたモノクロームの暗室作業にあった〈手の痕跡〉を私はきれいさっぱり捨てようと思うからだ...」(2007)


2,200円(内税)
ロングセラーの予感。再入荷。裏の森へGO。「リクロ舎(黒猫/円盤)からの'20年作。熊楠の愛した森の宝石、死なない生物、謎多きアメーバ、粘菌入門決定版。世界の研究会にも出席する小学生粘菌博士片岡連くんのはじめての研究ノートに、二階堂和美が粘菌を教えてもらったりの粘菌入門書、粘菌SFマンガにポスターなどを収録して遊びまくります。」(2020)


2,200円(内税)
待っていました。田口さんにまだですか〜と聞き続けていた「骨折映画館」<死闘編>に加えて<平成頂上決戦>を収録した四十路からはじめる映画鑑賞。やってみなきゃわからない精神でライヴ中に骨折して動けなくなった、田口さんが予備知識ほぼゼロ状態でスタートした企画。できない時にできることを続ける生粋のアーキビスト、恐れ入ります。当店大推薦のススメです。(2021))


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「ぼくの眼は千の黒点に裂けてしまえ/古代の彫刻家よ/魂の完全浮游の熱望する、この声の根源を保証せよ/ぼくの宇宙は命令形で武装した/この内面から湧きあがる声よ/枕言葉の無限に岩バジル連禱のように/梓弓、オシテ狂気を蒸発せしめる/無類の推力を神ナシに保証せよ/容器は花の群衆の/そのもっと濡れた中点を愛しもしよう」(1971)(イノウエ)


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「お腹の子の父親を迫って旅する女、肌は白いが黒人の血を引いているという労働者、奇妙な説教が問題となり辞職した牧師、黒人を援助して町で疎まれている北部女。米国南部の町ジェファソンで、過去に呪われたように生きる人々の生は、一連の壮絶な事件へと収斂していく。」(2018)(イノウエ)


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絵本のたのしみ、谷川俊太郎氏の詩、そこに隠された否溢れ出てしまった沢渡朔氏の独白。 「なおみは いる いつも わたしの うまれる ずっと まえから なおみは いた わたしのそばに」 (1982) (イノウエ)


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「とはいえ、私たちはニーナを「憂鬱」にした時代とはすでに別の時代を生きているのだろうか?私たちの「憂鬱」は彼女の「憂鬱」とまったく別のものだろうか?彼女が〈活動する音楽家〉に変貌したのは、一九六三年九月一五日、バーミングハムの教会に爆弾が投げ込まれ、聖書の勉強中だった四人の黒人の少女が殺された事件の後だった....」(2020)(イノウエ)


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「このようにして、ぼくはジョヴァンニに会った。会った瞬間に、ぼくたちの結びつきははじまったと思う。そしてその結びつきは、後日のあの《別居》にもかかわらず、また、ジョヴァンニの体がやがてまもなくパリ郊外の断罪の地に朽ちはてようとしている事実にもかかわらず、いまなお、たちきられることはないのだ。ぼくが死ぬその日まで、地上に忽然とあらわれたあのマクベスの魔女のように、ジョヴァンニがぼくのまえに姿をあらわすことは、際限なく起こるであろう」(1984)(イノウエ)


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「足立正生らとともに〈連続射殺魔〉永山則夫の全足跡を追って、網走から札幌・函館・津軽平野・東京・名古屋・京都・大阪・神戸にいたる日本の東半分、さらには香港と、くまなく歩きまわった私たちが、ドキュメンタリー映画とは言いながら、ただひたすら永山則夫の女もまた見たであろうところの各地の風景のみをとりまくって、いわば実景映画とでも自称するほかない奇妙な作品をいまつくりつつあるのは、ひとえに、風景こそが、まずもって私たちに敵対してくる〈権力〉そのものとして意識されたからなのである」(2013)(イノウエ)


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「姉ちゃん、アートって何や、引越手伝うてくれるんか?」(1999)(イノウエ)


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「というこのわたしは、三十数年映画やテレビの音を作って来た男である。ない知恵をしぼって、あらゆる音をデッチあげた。ドラマ、SF、アニメ、戦争映画、時代劇、舞台、ラジオなどの音を長い間担当してきた。無理難題を言うのが特権と心得ている監督が「木村君、雪の降る音を入れてくれ、聞こえない音がいいな」とムチャな注文を出すのに応えてきた。「それは出来ません」といえないのが、凝り性のわたしである。ハリウッドの音作り名人に秘伝を教わり、ヨーロッパのスタッフと他流試合もした...」 (1991) (イノウエ)


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「クラヴァンがそこからの脱走を企てていた自己、それはあまりに簡略的な図式化となる危険をおそれずにいうなら、西欧的な合理主義に支えられた理性的主体としての自己である。フランソワ・ボットは、そうした理性的主体の絶対性・単一性を脅かす彼の相対性・複数性を、クラヴァン自身の表現を借りて、「体内に宿っている『無数の塊』」と形容しているが、それは、「魂」というよりもむしろ、さまざまな自己の破片を押し流していく無意識的な欲動の奔流とでも呼ぶのがふさわしい...」(2002) (イノウエ)


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「デュシャンが生の立脚点を、「芸術」から「日常」に焦点移動し、「見える」作品を作ることをやめて、見えない日常の時間を深く生きつづけた、とすれば、その時間は、デュシャンのいう、四次元の見えない世界への閾のようなものだったのかもしれない。死後12年もたって、昨年(1980)やっと刊行されたデュシャンの未完のメモ群がある。その中に、これまでのメモに全くあらわれてこなかった"Inframice"という言葉が頻出してくる...」(1981)(イノウエ)


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「そして、フーコー自身の晩年の理路から引き出されてくる最後の結論が、実はラカンとルジャンドルの理論と深い場所で共鳴するものであることを見いだした―その不穏な共鳴の場所と時は、「夜戦と永遠」の時空と呼ばれる」 (2008) (イノウエ)


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「むしろ、世界はつねにあらゆる方向に同時かつ錯乱的に拡散しているというべきでしょう。あらゆるものがあらゆるものと関係を持ち、一瞬たりとも変化しないことはない、それだけが唯一の真実です。そしてそのひとつの現われが、現代のさまざまな複製メディアを通じて、七〇年代の後半くらいから多様なかたちで見られるようになった─それがシュミレーショニズムでありハウスミュージックなのです」(2001) (イノウエ)


2,550円(内税)
「海面。波がスクリーンを覆う。風の激しいノイズ。不意に右スピーカーのノイズがキャンセルされる。不穏な笑い声が右スピーカーから鳴る。左スピーカーがピッチと音圧を変えてそれを繰り返す。爆音で踊る人影。船上の霧。断片的な会話。弦楽の音。レンズ交換する手の断続的ショット。スクリーンに向かって踊る人々の背。群れをなす魚。エジプトの形象文字。「会話」する猫たち。戦闘機の墜落。話し合う男女の背後で窓ガラスに女がぶつかる。衝突音は二人の話声よりも鮮明に鳴る。すべては、ばらばらに見える。ばらばらに聴こえる」 (イノウエ)


3,550円(内税)
「確かにアルトーのヴァン・ゴッホ論は黙示録的である。しかし死にむかって加速するゴッホの絵の時間を再現し、再演しながら、それでもアルトーは、むしろ何かの始まりを、発生を記そうとしているのだ。それはつましい部屋のつましい家具とたたずまいを描いたゴッホの色彩とタッチのなかで、ただそこに生起していることでしかない。壮大な誇大妄想的な文体で、西欧史の悪と誤謬を暴くようにしてフランス語を叩きつけ刻みつけた、あの超越的で挑戦的なアルトーが、ゴッホのつましい制作の具体的な過程に、別の生と身体を発見していた。」(2011)


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「短いテクストのなかでドゥルーズは、「概念」から、言葉とイメージの分離に、この分離による「抵抗」に、そして抵抗する主体としての「民衆」へとすばやく線を引いている。ドゥルーズは映画に触れているときも、あるいは管理社会という新たな権力の形態を素描したときも、哲学から映画に、映画から抵抗に、という脈絡に、ここまで鮮明に見える線を引いたことはないのだ...」(2004)




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